028. 製造は、技術ではなく選択なので、誇張表現は怪しさの表出です。

こんにちは!『cultiba(クルティバ)』オリーブオイルの竹本です。

 

“味わう人”と“もてなす人”へ、オーガニックオリーブオイルを作って販売して、『人と環境にやさしい最高の食生活』をお届けしています。

 

今回は『表現:製造のこだわり』について。

約1分で読めます。

 

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ラベルの表現について、長くなってしまったので、記事をみっつに分けています。

 

前回の記事では、利害関係者の絡むコンテストや認証について触れました。今回は、製造工程に関する事実をどう取り扱うかという話になります。コールドプレス、早摘み、一番搾り、ノンフィルター、無濾過、搾油までの時間に触れます。

今回触れる項目はどれも特別なものではなく、高品質オイルにとってはドレスコードのようなものなので、そうでない場合は避けたいですが、表記があるから良いとはなりません。なので結論は、「誇張表現があると避ける」です。

コールドプレスは、実を練り込む際に何度で何分練り込むか、搾油するかという話です。27℃以下であればコールドプレス表記可能となり、一口にコールドプレスと言っても様々。一般に、温度が高いほど、時間が長いほどオイルがたくさん取れます。品質にこだわると温度はもう少し低くなる(弊社では24℃)のですが、この最適解は一律なものでなく「生産者のこれがベスト!」がそれぞれにあります。

また30〜40分を目安にされる時間も併せて、毎年変わります。(時間が長すぎると量が取れても発酵リスクや焼けた臭いのリスクがある。)強いて言うなら、27℃と表記されていれば、コールドプレス表記をしつつ、なるべく量をとることが狙いなのかなぁと、想像できます。



早摘みは、際立った風味には欠かせません。収穫期が早ければ搾油量は減る一方、ポリフェノール類の含有量は増え、風味も強くなります。好みによるのですが、早摘みも程度が過ぎれば強すぎて美味しくないことになるので、適度な早摘みが求められます。完熟した味を搾ったオイルとは全く異なる風味に仕上がります。使途によってベストは変わり、トレンドは早摘みですが、シェフは完熟を好む傾向にあります。オリーブオイル特有の風味を嫌うようです。



一番搾りは、最近目にして驚いたフレーズです。これはすなわち実から絞っただけのオイルかどうかの話で、一番搾りでなければエキストラバージンですらありません。個人的には、早摘みを想起させる可能性があるなぁと感じまして、実際に食してみるとやはり完熟オイル。誤認惹起に近い表現です。



ノンフィルター・無濾過は、表現方法が非常に難しく、現地の話と日本の話が異なり、ラベルの情報がどちらに基づいているのか正直判別できません。一般には、物理的なフィルターにかけるもの、物理的なフィルターにはかけないけれど静置養生して上澄みをとるもの、無濾過のまま、となります。

ここでのポイントは、無濾過と無農薬を似たイメージとして捉えないことです。無濾過は、聞こえはいいのですが、オリーブオイルにとってはポリフェノール含有が多いものの同時に時不純物も含み品質劣化の原因になります。なので、ポリフェノールを多く残しつつ不純物はきっちり取り除くことが求められ、暫定的には静置養生が最適解です。

ちなみに現地では、日本のインポーターからオーダーが入ったという超早摘みの無濾過オイルが作られていて、私自信も驚きましたが、笑い物にされていました。(本当に恥ずかしかったです。泣)

現地の見解では、無濾過は海外輸送に向いておらず、強引に送ったとしても、10月半ばの収穫分で、12月中には消費しきってほしいとのことでした。それ以上経つと傷んでても知らないよと。


搾油までの時間は、短ければ短いほど良いです。これは間違いありません。一般にトップクオリティを安定して生産するところでは、その日収穫した実はその日に搾油するということを徹底しています。最近では、1時間でも早くするために新設する大企業もあり、競争が激化していますが、収穫した実をどこかに放置せずそのまま搾油工程に運んでいれば、高品質には十分と言えるでしょう。

競争激化の先に私が気になるのは、土地の景観です。大型機械を取り入れて速さを追い求める業者は概して、農薬とセットであり、土地も平地に限られます。純度を高める代わりに、生態系を犠牲にし、均質的な土地を選びます。生物多様性と山の上の微気象による複雑な風味の調和とそれを育む美的な景観を大切にする身としては、対極の考えになります。これも早摘みと同様、程度によるとなるのではないでしょうか。

 

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竹本(たけもと)

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