果肉から搾られるオリーブオイルとコールドプレス表記

多くの植物性油脂が種から化学合成過程を伴って圧搾・抽出される一方、オリーブオイルのオイルは果肉内にあり、物理的・機械的な製法によって、圧搾・分離されます。

この製法の違いから、オリーブオイルがフレッシュジュースのように例えられています。絞っただけなので。

ただしこの絞っただけには、いかに不純物を取り除き、どの程度のポリフェノールを保持させ、どのレベルの風味(質と量の塩梅)にするかなど、作り手の狙いに応じて、様々な工夫がなされています。

まずは、実の状態が良いことが不可欠。カビた実を使うとカビた風味のオイルに仕上がります。痛んだ実も品質低下の原因です。洗浄してきれいにし、粉砕・練り込み工程に入ります。よく耳にするコールドプレスを少々分解すると、この練り込み時の温度をいくつに設定して、何分間練り込むかということです。高品質を求めるには、適切な温度と適切な時間があり、この設定は作り手の意のままです。なぜなら、お気づきの通り、質と量はトレードオフ。

EUの規定によると、27℃以下でコールドプレスと表記してよいようです。おそらく営利至上主義な業者は27℃に設定するでしょうから、一概にコールドプレスといえども具体的な温度は業者により異なります。(参考:弊オリーブオイルは、約24.0℃で、30~40分の練り込みを、収穫当日に外気温の下がる日没後に行っております!)

余談ですが、素人時代の私が一番驚いたのは、練り込み時に、種も皮も一緒に練り込むこと。てっきりきれいに取り除いて、それから練り込むものだと思い込んでいたのです。ですが、重宝されるポリフェノールなどを保持させるには、種や皮と一緒に練り込む必要があるのです。

ラベルのみを見て品質を判断することは難しいのですが、多面的に細かく見ていくと朧げながら見えてくるものがあります。そして、本人さえ無意識に行っているような目に映らない細かい工程まで察することができます。

詰まるところ、取扱業者の姿勢や人柄がそのボトル内のオイルに表れ、消費者の身体を構成するわけで、いち消費者への助言とすれば、「信頼している人からの購入をおすすめします」となります。