母乳に似ていると言われる脂肪酸組成

母乳に似ていると言われる脂肪酸組成について簡単に。

一価不飽和脂肪酸のオレイン酸を主成分とするオリーブオイルには、必須脂肪酸のα−リノレン酸とリノール酸も必要量含まれており、さらに約30種のポリフェノールなどの微量成分まで含まれています。

必須脂肪酸の必要量というのは重要で、これら2種の多価不飽和脂肪酸は極めて酸化しやすく、多すぎるとかえって油脂としての酸化安定性と熱安定性が損なわれる恐れがあります。

もちろん、産地や品種などでその比率は異なりますが、酸価安定性が高く熱変性の少ないオレイン酸(オメガ9系)が80%弱を占め、日本人は摂りすぎと言われるオメガ6系のリノール酸が6%前後、積極に摂ろうと言われるオメガ3系のα−リノレン酸が1.5%弱含まれています。

余談ですが、良いオイルには美容に人気のビタミンE(αトコフェロール)が含まれており、これが天然の酸化防止剤としてオイルの品質保持にも一役買います。

母乳に似ていると言われるポイントは、オメガ3系とオメガ6系のバランスです。バランスが大切なのことは何にでも言えるであろうところ、あえて特筆されていることには理由があります。基本事項として、炎症を促進するオメガ6系と炎症を抑制するオメガ3系という関係です。両方必須。

「オメガ3系:オメガ6系=1:4」が推奨されており、特に乳児に関してはこのバランスが崩れると脳機能の発達に影響が出るとも言われています。そんな中、イタリアでは離乳食に使われているなんて話もあり、母乳に似た脂肪酸組成としてのオリーブオイルの存在を確認できます。ちなみに日本人の母乳は1:5.5くらい。厳密な比較には産地や品種の差を無視できないので、小話として捉えていただけると嬉しいです。(私がオリーブオイルを離乳食に勧めているわけではありません。)

個人差の大きい必要量についても若干触れると、一日2,000キロカロリーを摂取する女性を想定すると、オメガ6系のリノール酸はオリーブオイル約50ml /日、オメガ3系αリノレン酸はオリーブオイル約100ml /日に相当します。そしてオリーブオイルの一日あたり推奨摂取量は大さじ1〜2杯(15~30ml)。

話の論点がずれてきたのでそろそろ終わりにします。

①酸敗しやすい油脂カテゴリの中で、品質保持性能が高く、活躍場が広い。
②無味無臭が多い油脂カテゴリの中で、豊かな風味を備える。
③母乳に例えられる脂肪酸組成のバランス。

個別の成分による有効な働きを説明する前段階でも、この辺りを抑えるだけで、もう十分基本の一本としては相応しいと、感じます。バランスの良い食生活を。